長男にとっても私にとっても、悪夢の4年生でした。
まず、4年生は学校生活では転換期で、低学年の時に比べ学習の評価が厳しくなります。
よく挙げられるのが
- 字は丁寧に書く
- 習った漢字を使う
- 算数は途中の式もきちんと書く
学校の先生にとって簡単に思えるこのことが、うちの息子にはとっても難しいことでした。
四年生になってしばらくしてから、家で注意をすると奇声をあげたり叫ぶように泣くようになりました。
ギャングエイジというものかな?くらいに思っていました。
ある日長男にしては珍しく漢字50問テストを私に見せてきました。(整理整頓が苦手なので三年生までは大きな紙袋に先生がプリントやテストを入れておいて、私が学校に取りにいっていた。)
点数のところに100点とありましたが/がされて98点になっていました。
確認するとハネがちゃんと書けていなかったので赤字で訂正されてました。
「あ~残念だったね、でも98点すごいじゃん!」と言ったのですが、今思うとそれが長男の何らかのアピールだったのだと思います。
どうして字がきれいに書けないとだめなの?
夕方学校から電話があり「今日テスト返しがあったのですが、〇〇君テストを破いてごみ箱に捨ててしまったんです。」と言われました。何故そんなことになったのか先生もわからず、いきなりしたそうです。
まさか長男が学校でそんなことをするとは思わなくて、私は厳しめに何でそんな事したのか聞いてしまいました。
そしたら長男は泣きながら暴れだし、「どうして字を綺麗に書かなくちゃいけないの?」と言われました。
私はすぐに答えられませんでした。WISKの検査で字を書くのが苦手だと書いてあったからです。
「もうヤダ、もう死にたい。」
頭が真っ白になってしまいました。
まだ10歳の子供が死にたくなるほど追い詰められていた事に気づいてあげられなかった、自分の至らなさを実感しました。
「〇〇が死ならママも死ぬよ、嫌なら学校だって行かなくて良いんだよ。字を綺麗に書くことよりママは〇〇が大事だから。」と伝えましたが
「博士になりたいから学校には行く。」と言うので私は次の日学校に相談に行きました。
教室の机とロッカーの中身
まず教室で息子の机、ロッカーをみてびっくりしました。
整理整頓ができないのはわかっていたけれど、プリントやテストがぐちゃぐちゃに詰め込まれていて溢れていました。
一つ一つテストを確認すると、名前を赤字で訂正されているテストが何枚も出てきました。
字が汚いのと名前が漢字で書いていなかったから。
長男の名前の漢字は難しく、私が以前に「学校で習ってから名前を漢字で書けばいいよ。」と言ってしまったのがいけなかったのだと思います。
長男のこだわりだったのか何度注意されても名前を漢字で書きたくなかったみたいでした。
その後テストの名前を書かなくなりました。当然テストの答えがあっていても、無記名なので0点でした。
そして真っ黒に塗りつぶしたテストが何枚も出てきました。
中には提出していなかったのか採点されてないテストも出てきました。
私はここまでの出来事を何も知らず、学校からも何も知らされていなかったことに軽いパニックになりました。
子供はよく(死にたいって)言う事なんですよ。
教室の様子を見た後、担任の先生、校長先生とお話した時に
なんでこの状態になるまで連絡が来なかったのか、WISKの結果を出してあるのに対応はしてもらえないのか。
字も本人は丁寧に書こうと努力していた、でもうまく書けないことでとても悩んでいるんだと訴えましたが
校長先生からの返答は
「〇〇君だけ特別扱いはできません。」でした。
「〇〇、死にたいって言うほど悩んでいるんですよ?」と私が言ったら
「小学4年生くらいの子供はよく言う事なんですよ。でも言われたお母さんの気持ちは切なかったでしょうね。」と頓珍漢な返答をされました。
WISKの検査をしてたんですか?
学校とお話しても埒があかなかったので、すぐ児童相談所の予約をとりました。
しかし児童相談所からは直接学校にお話しすることはできないと言われ、
スクールカウンセラーに相談した方がいいと言われました。
そして初めてカウンセラーの先生とお話した時、先生が「〇〇君、WISKの検査してたんですか!?」っとびっくりされました。
職員室での申し送りの時にWISKの検査の事も、特性の事も何も話をされなかったそうです。
「じゃあ、後でWISKの検査見せてもらいますね」と言われましたが
、次のカウンセリングの時に「WISKの検査の紙がなかった」と言われました。
何故検査の紙がなくなったのかわかりませんが、学校に対応をお願いするためにもう一度WISKの検査を受ける事にしました。
診断書があっても対応を変えることはない
WISKの検査結果を提出し、カウンセラーの先生からも学校へ対応をお願いしたのですが、
学校は特に何もしてくれませんでした。
ある日PTAでの集まりの時に、幼稚園から一緒の女の子のお母さんから
「今うちの子が〇〇ちゃんの隣の席なんだけど、授業中走り回ったり自分の顔を殴ったりしているみたい。うちの子が心配している。」と教えてくれました。
もちろん学校からなんの報告もありませんでした。
良くなるどころか、酷くなっていく一方の長男を見て児童相談所とカウンセラーの先生と話し合ってもっとちゃんとした検査をして診断書を出してもらうことになりました。

実際の診断書です。合理的配慮の提供のお願いが書いてあります。
しかし診断書を提出しても学校の対応が変えることはないと言われました。
合理的配慮とは障害のある人が社会の中で困りごとや障壁を取り除くために、調整や変更を行うことです。
発達障害のある子供や就労者などに対して、その状況に応じて個別に必要とされる配慮が提供されます。発達障害のある子供に対する合理的配慮の例としては、次のようなものがあります。
- 読み書きが困難である場合は、拡大教科書やタブレット、音声読み上げソフトを利用する。
- 話まりの刺激に敏感で集中し続けることができない場合は、仕切りのあっる机を用意したり
別室でテストを受けられるようにしたりする。- 聴覚花瓶の処理が苦手な児童生徒のために黒板周りの情報量を減らす。
暴利的配慮は、障害の原因や種類、障害者手帳の有無に限定されず、障害によって学校生活や就業生活に困難さが生じている場合に提供されます。