インクルーシブ教育とは?

教室の写真

「実現遠いインクルーシブ教育」
今朝私のスマホに来たニュースのタイトルです。
南日本新聞社の記事で、地方新聞なのかな?と思いながら読みました。
(良かったらこちらからどうぞ実現遠いインクルーシブ教育
地方の新聞でこんな記事が取り上げられるという事は、
九州(記事の内容は鹿児島でした)は支援が進んでるのかなぁと羨ましく思いました。

日本でインクルーシブ教育は受け入れられるのか?

長男はASDでしたが、中学卒業まで通常学級でした。
そこで、今日長男と次男にインクルーシブ教育について、どう思うか聞いてみました。
長男は小学5年からは通級に通っていましたが、
特にクラスで特別な支援を受けることはありませんでした。
(小学4年生頃の長男の様子)
なので長男は「特に何も考えたことはない。」と言っていました。
次男も「別に何とも思わない。」と。
子供はまだ固定観念の様なものがないから受け入れやすいのかなと思いました。

ただ、私は長男が小学生の時を思うと通常学級で過ごすことが
必ずしも子供の為になるとは思えないのです。

通常学級での学校や先生の対応

長男の落書き
小学4年生の時自分の部屋の窓からの観察記録
  1. まず、地域にもよると思いますが、通常学級では支援を全く受けれない。

    例えば字を書くのが苦手な生徒がいても、普通に黒板に書き時間が来たら消してしまう。
    もちろん、プリントで代用などの対応はありませんでした。
    ノートもマスの大きな物を使ってもいいか相談しましたが、指定のを使うように言われました。

    皆と同じような作文をかき、皆と同じような絵を描き、それができないとやり直し。
    先に紹介した新聞の記事にあった、同調圧力が日本の学校には根強くあるように思います。
    個人個人の能力や特性に合わせた支援など、夢のまた夢に思えるのです。

  2. 先生や学校が子供の特性を認めない。

    6年生の時の全国一斉学力テストで国語のテストで長男が校内1位になった時の事がありました。
    その時に、「授業を受けていない〇〇君が一番とったなんて、他の子供に悪いので内緒にしておきました。」
    と言われました。
    長男は4年生から学校のテストはほとんど受けなくなっていたので、
    先生も同級生も長男の正確な学力を知らないのもあったのだと思います。
    それでも、先生にはみんなの前で長男を褒めてあげて欲しかったなと思います。

    発達障害の子供は自己肯定感が低い事が多いので、よくできたことや頑張った事は
    小さなことでも褒めてあげて欲しいです。

人々の多様な在り方を認め合える社会とは

日本でのインクルーシブ教育が無理だと思うもう一つの理由が、他の保護者の目です。
私が住んでいる地域は地方の田舎で、保護者同士が卒業生で同級生という方が沢山います。
幸か不幸かそんな中で我が家はよそ者でした。
そのおかげで外野の声はほとんど聞こえなかったのですが、
それでも
「〇〇ちゃん大変みたいね。」
「××さんちの△△くん、多動で薬飲んでるらしいよ。」
「□□くんがいて授業が進まないんだって。」
など耳に入ってくることがありました。
中には他の特性を持っている子供がいる方から、
「うちより〇〇ちゃん(長男)の方が大変でしょ?」
と話しかけられたこともありました。

みんな一緒、皆で仲良くで育ってきた私たち親世代には
特性を持った子は目に付きます。
ましてや、人の入れ替わりが少ない地方の学校ではなおさらのことだと思います。
幸い、長男は周りを気にする子ではなかったので私は救われました。
(基本我が子が良ければそれでいい親なので。)
ただ、中には自分の子供が決して好意的でない視線にさらされていることに
耐えられない方もいらっしゃいます。
日本の多様な生き方からほど遠い”普通”が一番の社会の中で、
インクルーシブ教育は難しいんじゃないかなと感じます。

行政によっての支援の格差


また、通常学級では対応できない理由は教員不足もあると思います。
長男が小学校の時の1クラスの人数は40人近くいましたが
担任1人だけでクラスを受け持ち、補助の先生など入ることはありませんでした。

現在、10人に1人が発達障害児だと言われてる中で、
個人に合わせた対応ができるはずがないのです。

私は当時学校に市に支援員の方をお願いできないのか相談したこともありました。
他の地区の学校では特性のある子がいる学級には支援員の方がいらっしゃると聞いたからです。
しかし、長男の通う学校では支援員の要請はしませんと言われました。

私の住んでいる県は、全国で見ても発達障害児への対応が遅れています。
現在、子供の発達障害を相談できる専門機関は2カ所しかありません。
もちろん長男が小学生の時にはありませんした。
明らかに、発達障害で悩む人の受け入れ先や
発達障害児に対しての専門知識を持つ方の人材不足を感じます。
地方だけでは人材育成、専門機関の設置のなど難しいと思います。
インクルーシブ教育や合理的配慮など”普通”
人たちの押し付けのうわべだけでの支援はいりません。
是非、国は地方の行政に丸投げではなく、地域に格差のない支援を行ってほしいと思います。